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日本保険医学会 会長挨拶

会長就任に当たって

日本保険医学会
会長 品川 貴郁

第118回日本保険医学会定時総会でご承認を頂き、中道前会長の後任として会長職を拝命致しました品川と申します。当学会の120年を超える長い歴史と伝統に恥じぬよう、学会運営に真摯に取り組んで参る所存ですので、皆様方のご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。


さて、2020年以降の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行によって、保険業界は非常に大きな影響を受けました。営業形態の変化やリモートワークの普及により、会員の中にも働き方に変化のあった方がいらっしゃると思います。しかしこのような状況だからこそ、我々が果たすべき役割は大きいと考えます。

保険業界では、COVID-19が生命保険事業にどの程度影響するのか、そしてCOVID-19の蔓延状況が今後どのように変化していくのかが注目されています。COVID-19に関する情報発信はインターネットや各種報道を通じて毎日行われてはいるものの、専門的な内容が多いうえに、その全てが正しい情報とは限りません。

そうした状況下で我々に求められていることは、正しい情報を適切に取捨選択し、それを専門外の方に分かりやすく伝えることです。さらに、COVID-19が生命保険事業に与える影響を分析した上で、査定基準の策定や新たな保険サービスの開発に参画していくことが我々に期待されています。

コロナ禍によって保険実務のIT化も加速しています。今後、新契約や支払請求の手続きが機械化していくことは間違いありません。しかし、新契約や支払の査定を機械化する際にも保険医学の知識は必ず必要となりますので、我々は保険実務のIT化にも貢献できるはずです。

COVID-19の流行により、昨年は日本保険医学会の運営にも大きな影響がありました。当初は講演会の中止などもありましたが、中道前会長をはじめとする執行部と、各委員会・事務局の方々の尽力により、定時総会は無事開催され、講演会のWeb配信なども始まりました。むしろWeb配信が始まったことで、地方の会員の方にも定時総会や講演会を手軽に視聴して頂くことが可能となり、プラスの面もありました。


今後、COVID-19の状況がどうなるかは不透明ですが、どのような状況であれ、定時総会・講演会・学会誌の発行といった学会活動を着実に遂行し、保険業界の急激な変化に対応できるような情報発信を続けて参ります。

コロナ禍やフィンテックの拡大など、保険業界を取り巻く環境は近年大きく変化しています。我々もそうした変化に否応なく対応していかなければなりませんが、当学会の活動がその一助になればと存じますので、今後もご協力のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。

2021年10月8日

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